転職ノウハウではよく、「〇〇した方がいい」「〇〇はやめた方がいい」という内容がありますよね。

もちろんそういった知識やテクニックを習得するのはとても大切なことだと思います。

 

ただ、転職の失敗談を聞いたらすごく参考になりませんか?

知識でもテクニックでも成功談でもなく、失敗談です。

他人の失敗談ほど参考になるものはないと思います。

 

そう思い、ここでは私自身の転職失敗談を包み隠さずお話していきます。

私がブラック企業に入り、一度全てを失ってしまった時のお話です。

 

失敗だと判断した理由

私が失敗だと判断した理由は、ブラック企業に入社したからです。

友達も趣味も生きがいも、一度全てを失いました。

 

なぜ友達や趣味まで?!と思われたかもしれませんが、その理由を簡単にお話します。

精神疾患、いわゆるうつ病にかかってしまったのです。

 

月100時間を超えるサービス残業、朝から晩まで上司のパワハラ、ミスが起これば全て私の責任。

他にもここでは言えないような仕打ちが数えきれない程ありましたが、暗い話になるのでここで区切ります(笑)

仕事がきついだけなら耐えられたのですが、私への集中砲火、いじめみたいな状況に心が折れてしまいました。

 

私はもともと活動的なタイプだったので、平日の夜や土日等オフの時間は予定がぎっしりでした。

スポーツ・音楽活動・ボランティア・勉強・友達との交流と…まさに絵に描いたようなリア充でした。

 

なぜこれら全てが奪われたかと言うと、まず平日の夜はサービス残業で全部潰れました。

そして精神疾患にかかったことで、土日も寝たきりで動けなくなってしまったのです。

 

当然スポーツ・音楽活動・ボランティアには行けなくなりました。

友達の誘いも断るどころか、人が怖くてメールの返信すらできなくなってしまいました。

 

このような感じで、入社後1年経った頃には絶望以外何にも残っていなかったです。

あの時心の中に渦巻いていた絶望感は、今思い出すだけでもゾッとします。

 

正直「年収が50万下がった」「聞いていた仕事内容と違った」ぐらいの理由なら私は失敗だと思いません。

新たな友人との出会い、新しい世界との出会い、スキルアップ等、それ以上に大きなものを得られる可能性があるからです。

どれだけ頑張ろうと思っても前向きな気持ちになれない…そんな劣悪な環境こそが本当の失敗だと思います。

 

転職開始~ドン底までのストーリー

・転職決意のきっかけ

私は転職した当時、工場で荷物の検査や運搬の仕事をしていました。

特に転職は考えていなかったのですが、ある日仕事中の事故に巻き込まれ、入院するほどの大怪我を負ったのです。

一歩間違えれば命を落とすほどの事故でした…。

 

私は病院のベッドの上で「命あっての仕事だな…」と思い、転職を決意しました。

早速インターネット上で仕事を探していると、とある転職エージェントのホームページに辿り着きました。

そしてその出会いこそが私の運命を大きく変える、絶望への第一歩だったのです。

 

・違和感のある転職エージェント

流されるまま東京都心部にある転職エージェントの本社を訪ね、面談を受けました。

面談の担当者は年の近い女性の方でしたが、すごく丁寧で好感の持てる方でした。

 

担当者「本日はご来社ありがとうございます。どんなお仕事を希望されていますか?」

私  「営業は自信がないので、営業以外でお願いします」

担当者「そうなんですね、でも実は営業も会社によってはノルマもなく、すごく働きやすいんですよ」

私  「そうなんですね、でも営業以外で探させて下さい」

担当者「実は弊社では営業マンを育成し、そのまま企業の面接までサポートするサービスを行っています」

私  「はい…」

担当者「無料で質の高い研修を受けれますし、一度受けるだけ受けてみませんか?」

私  「わかりました、受けるだけ受けてみます」

 

そしてその日は帰宅し後日、数日間(※)に渡る教育研修に通うことになりました。

※日数を言ってしまうとどこの転職エージェントか特定できてしまう為、数字は伏せています。

 

そこの研修がどうだったかと言いますと…とにかく異様な光景でした。

同じようにビジネス経験の少ない人たちが集められ、切磋琢磨しながら共に研修を受けるというものでした。

 

最初に違和感を感じたのは、講師が研修で話す内容が99%精神論だったことです。

どこかの胡散臭いマルチ商法の勧誘なんじゃないか…?と疑ってしまったほどです。

 

また、声が枯れるまで大きな声で挨拶を連呼したり、職歴・経歴をボロクソに批判されたり…

「君ね、やばいよ。だって君の経歴、スッカスカで何にもないんだもん。これで雇ってもらえたら奇跡だよ」

まるでドラマのようなセリフでした。

 

もうあなたはお気付きでしょうか?

この洗脳こそが研修の目的だったのです。

ビジネス経験の少ない人たちをターゲットにしているのは、余計な知恵や経験がない方が洗脳しやすいからです。

 

実際に研修生は純朴で気の優しい人ばかりでしたし、ものの見事に全員洗脳にかかっていました。

「雇っていただけるなら、どこでも喜んで働かせていただきます!!」と、恐ろしいまでに仕上がっていました。

 

普通だったらこんな洗脳にはかからないですし、当時の私は本当にバカだったと思います。

転職エージェントとしては入社させて一定期間働かせればお金が入るわけですし、上手い商売だと思います。

 

そして洗脳にかかった状態で、最終日に指定された会場で一斉面接が行われます。

色々な企業の採用担当者が会場にやってきて、研修生全員と面接を行うというものです。

そこでマッチングすると後日企業に直接招待され、そこで最終面接を行う形になります。

 

実質研修生には拒否権がないので、企業に選ばれるかどうかで全てが決まります。

そこで私は最初にお伝えしたブラック企業とマッチングし、最終面接の為に企業を訪問しました。

 

・ブラックを感じさせない爽やかさ

その企業を最初に訪問した時、私は心から感動し、ワクワクしたのを覚えています。

眩しいばかりの日光が差し込む、白を基調とした清潔感のある爽やかな事務所。

創業してから10年も経たないベンチャー企業だったので、事務所も備品もピカピカです。

 

そして私が事務所に入ると社員全員が起立し、「いらっしゃいませ!」と声掛けをしてくれたのです。

面接も良い意味でラフで、雑談を交えながら談笑するような雰囲気でした。

 

面接を終え、私が事務所を出る時も社員全員が起立し、「ありがとうございました!」と声掛けをしてくれました。

私も、最終面接に招待された他の研修生も、皆口を揃えて「ここに入社したい!」と言っていました。

それほどまでに魅力を感じさせる企業だったのです。

 

そして後日、私のもとに内定の連絡が入りました。

当時は本当に嬉しかったです。

 

私は目を輝かせ、期待に胸を膨らませ、「この会社で活躍してみせる!」という強い意志と共に入社しました。

そこがブラック企業だとも知らずに…。

 

・入社後の異変

最初の一ヶ月間は本当に丁寧に教育をしてくれましたし、定時には帰らせてくれていました。

改めて「この会社に入れて良かった」と思っていました。

私自身も積極的に商材についての勉強をし、知識を吸収していたので、優秀な社員だと褒められていました。

 

そして入社二ヶ月後、一通りの教育を終えて先輩の外回り営業に同行させてもらうことになりました。

そこで先輩から驚きの一言、「じゃ、明日は朝6時に事務所集合で!」

私は「…え、9時じゃなくて6時ですか…?!」と、ついつい聞き返してしまいました。

 

朝6時に会社を出て、担当エリアで新規開拓やルート営業を行い、業務を終えた22時頃に帰社します。

(移動時間があるとは言え、16時間労働って大丈夫なのか…)

そんなことを思いつつも、私の闘志は全く衰えていませんでした。

 

そんな状況の中で気合いを入れつつ、何とかポジティブに頑張っていました。

しかし半年後、ついに地獄が訪れます。

社長から私に、部署異動の打診がありました。

 

「とある部署のメンバーが全員一斉に辞めるから、そこの責任者をやってくれないか?」

もちろんNOとは言えず、了承しました。

 

どうやら、私が入社する前からその部署は全員の退職が決まっていたそうです。

その時知ったのですが、その会社は人の入れ替わりが激しすぎて、社員の大半が入社2年未満だったんです。

そして私は一番忙しい部署の責任者として働くことになりました。

 

そこからが地獄の日々でした。

異常な仕事量だけでも手に負えないのに、新人の私にはわからない仕事がほとんどです。

教えてくれる人がいないどころか、責任者の私は質問を受け、指示を出さなければいけません。

 

しかも責任者とは名ばかりで手当てなど当然付かず、社内で一番給料が低かったのです。

アルバイトの人たちですら残業ゼロで月30万もらっていたのに、私は月100時間の残業で手取り20万でした。

私がバカ正直な性格だったので、会社に取っては本当に使い勝手がよかったのでしょう。

 

・うつ病という地獄

そこからは最初にお伝えした通りです。

体調を崩し、全てを失うのに半年もかかりませんでした。

 

絶望のような気分の中、抗うつ剤を飲み、体を引きずって会社に行く毎日が始まりました。

よく自殺のニュースを見た人が、「死ぬぐらいなら辞めればいいのに」と口にしますよね。

でも私はそれがどれだけ難しいことで、不可能なことであるかを知っています。

 

一度うつ病にかかると気力を失い、とてつもない無力感に苛まれます。

あるのは自己嫌悪と自己否定ばかりで、逃げるなんて選択肢は思いつきもしません。

 

朝起きた時は、フルパワーを出さないと指一本動かせません。

とても正常な思考を持てるような状態ではないのです。

 

どうすることも出来ないまま絶望の中で苦しみ続け、気が付けばどんどん大切なものを失っていきます。

「会社に迷惑はかけられない」「自分が無能だからいけないんだ」

自分を責め続けながら、ひたすら衰弱を続けていくのでした…。

 

・余談ですが…

だいぶ暗い話になってしまいましたが、今は元気を取り戻しているのでご安心ください(笑)

今は仕事に打ち込みつつ、またプライベートを全力で楽しんでいます。

 

余談ですが、今となってはこのブラック企業での経験に心から感謝しています。

この出来事がきっかけで「生きる」ということについて深く考えるようになりました。

毎日1秒も無駄にせず、本当に幸せに楽しく過ごせているのはこの経験のおかげです。

一度絶望を味わったことで、人として大きく成長することができました。

 

失敗した原因は何か?

私の転職失敗談をストーリーにしてお話させていただきましたが、

ここでは失敗の原因を3つのポイントに分けて分析してみました。

反面教師として、あなたの今後の転職活動に役立てていただければ幸いです。

 

経験・知識の不足

経験不足は仕方ありませんが、当時の私はそれを知識で補うこともしませんでした。

いわゆる世間知らずだったのです。

 

知識というのはビジネススキルやビジネスマナーのことではありません。

これから自分が飛び込む世界がどういう所なのか、どんな人種が存在するのか、そういったことです。

今この記事を読んでいるあなたのように、他人の失敗談を参考にすることも大切です。

 

その世界で生き抜く為の、サバイバル力が必要なのです。

当時の私がやったことは、何の知識も持たずに裸で無人島に上陸したようなものです。

 

弱い者は強い者に食い物にされ、いいように利用されます。

危険な猛獣と戦うぐらいのつもりで、準備をする必要がありました。

 

自身による調査不足

私は自分自身での調査を怠りました。

自分自身での求職活動は一切せず、100%転職エージェントに依存していました。

 

もちろんそういうスタイルも有りだと思います。

しかし、転職エージェントに任せっきりにした結果がこのザマです。

 

マッチングをした時、最終面接を受ける時、合否の結果を待つ時、

自分自身で安全な企業なのかどうか、しっかりと調べるべきでした。

 

例えば夜間に現地を偵察しに行ったり、元社員の口コミサイトを調べたりと、

自分の五感を使って調査をすれば、事前に危険を察知できたはずです。

ただただ詰めが甘かったと反省しています。

 

性格が素直すぎた

当時の私は人を疑うことを知りませんでした。

「世の中に根っからの悪人なんていない」と、恥ずかしくなるような幻想を本気で抱いていました。

 

その結果、転職エージェントの研修で完璧な洗脳を受けました。

そしてブラック企業でも完璧な社畜となり、理不尽な環境に疑問も抱かず働き続けました。

その他にも、悪い人たちにいいように使われ続けてきました。

 

こんな悲しいことは言いたくありませんが、ビジネス界は本当に性格の悪い人が多いです。

力が弱いうちは、ある程度の警戒心を持つことが大切だと思いました。

 

どうすれば失敗を回避できたか

今だから言えることでもありますが、失敗を回避するのは難しいことではありません。

3つのことを意識しておくだけで、大きな失敗は確実に防ぐことができます。

こちらも参考にしていただければ幸いです。

 

何があっても自分を信じる

周りに流されてはいけません、自分の感覚・自分の判断を絶対に信じることが大切です。

自分にとって、自分ほど正解を知っている人間はいません。

 

例えば私の転職ストーリーの例で言えば、

「この転職エージェント、おかしいな…」と思った時点で抜けるべきだったのです。

そうすれば洗脳を受けることも、ブラック企業に導かれることもありませんでした。

 

仮にブラック企業に入社した後でも、

「この労働環境はアウトだな」と思い、すぐに辞めるなり訴えるなりしていればよかったのです。

そうすれば被害を受ける前に回避でき、死にかけるまで酷使されることもありませんでした。

 

こうやって話していると当たり前のことですが、実際にその場になると判断力が鈍ります。

私の場合はとにかく、自分に自信が持てなかったことで失敗を繰り返しました。

自分を過信するぐらいで丁度良かったのだと思います。

 

警戒心を持つこと

ビジネスシーンでは、簡単に人を信用してはいけません。

特に初対面の相手は、常に疑うぐらいの気持ちで丁度良いです。

 

例えば転職エージェントは、表面では親切なことを言います。

でも彼らの目的は就職を決めさせ、その報酬を受け取ることです。

担当者はそれぞれノルマさえ課せられているはずです。

 

そして企業は、少しでも経費を抑えつつ利益を伸ばしたいと思っています。

サービス残業、激務、薄給、有休の取得拒否、

ブラックな労働環境は全て会社が得する為のものです。

 

お金が関わる場所では、常に警戒を怠ってはいけないと思いました。

相手にマウントを取らせたら終わりです。

 

冷静さを忘れないように

落ち込んだり、怒ったり、気分が高揚したり、

感情が揺さぶられるだけで人は正しい判断ができなくなります。

何かを判断する時は深呼吸し、フラットな状態になるよう心がけましょう。

 

例えば敗戦続きの中、一社だけ内定が出たら飛びつきたくなりますよね。

でもそんな時こそ、「この会社でいいのか?」と慎重に検討を重ねるべきなんです。

なぜなら、選択肢を一つに絞られている時が一番危険だからです。

 

一社しか内定が出ていなくても、合わない会社に入るぐらいなら見送ろう…と考えるのも大切です。

フリーターになれば生活は繋ぐことができますし、実際選択肢は一つではないのです。

こんな柔軟な、冷静な考え方ができなかった私だから当時は失敗したのだと思います。

 

一番後悔したこと

ここが、私があなたに一番伝えたいポイントです。

私が一番後悔したのは、入社後も失敗を続けたことです。

 

仮に転職に失敗しても、「あれ、ここやばくないか…?」と思った時点で辞めるという選択肢があります。

すぐに辞めれば時間的なロスも少ないですし、被害を最小限に抑えることができます。

 

私は転職エージェントで受けた洗脳がしばらく解けなかったこと、元を辿れば私自身がバカで世間知らずだったことで、

辞めるという選択肢を選べず、体調を崩し、たくさんの時間や大切なものを失いました。

 

上記でもお伝えしましたが、自分に自信を持ち、冷静な判断を心掛けていればいつでも被害は最小限に抑えられるのです。

世間体を気にしたり、つまらないプライドの為に被害を拡大させてはいけません。

それが私の一番伝えたかったことです。

 

私の失敗談を参考に、あなたの転職を必ず成功に導いて下さいね。